雪だるまになった車
二〇〇一年一二月二四日、最前線の中隊の中でも一番遠く道が険しいところに駐屯していた一中隊の兵士たちは、うれしくもあり驚きでもある事実に目をまるくした。
昨夜三〇センチもの大雪が降って道が全部閉ざされてしまったのに、
一瞬茫然とした兵士たちはどっと歓声をあげて総書記を取り囲んだ。
総書記は明るい笑顔で兵士たちを見つめて、わたしはきょう、祖国の最前線を守って一番苦労している軍人たちに会いたくてやって来ました、と言った。
兵士たちは、総書記がこのひどい雪の中をどのようにして来られたのかと不審に思わざるを得なかった。
総書記が中隊を去った後、幹部の一人が兵士たちにこんな話をした。
総書記はこの中隊を訪ねる前にまず軍人たちが建設したある発電所を訪れた。
まだ夜が明けきれず、周囲は一面雪野原なのに、突然二条のライトの光が暗がりを分けて発電所に近づいて来た。
発電所に来ていた幹部たちは驚かざるを得なかった。
確かに車は車なのだが、形は分からず、ただ白い雪だるまが転がってくるように見えた。近づいて来た時やっと見えたフロント・ガラスがなかったら完全に雪だるまだった。
車に近寄った幹部たちはその場に立ちすくんでしまった。
車から降りてきたのは総書記だったのである……
深い感動に包まれている中隊の兵士たちに総書記の言葉が伝えられた。
「実は今回もなかなか時間が割けなかったが、年末になると最前線を守っている兵士たちがわたしを待っているような思いがして、きょう午前一時過ぎに寝床につき、四時に目を覚ましてここに向けて出発しました。外は真っ暗で雪が降り積もり道は険しかったが、最前線に向かって走るわたしの心はとてもうれしく軽やかでした」