一〇〇ウォンと一〇チョン

 

一九九二年三月の末、ドイツのルイザ・リンザ女史が金日成主席の差し向けた飛行機で朝鮮を訪れた。

四月一日、主席はルイザ・リンザ女史に接見した。

席上、彼女は飛行機を差し向けてくれたことに重ねて謝意を表した。

主席は、もういい、そんなに気を使うことはないと言った。

「飛行機を差し向けはしたものの、それは遠方からわたしを訪ねてくるあなたの誠意には及びません。ローマから平壌を訪ねてくるあなたの誠意には及ばないのです。その誠意の方が大きいのです。あなたのその誠意が一〇〇ウォン(朝鮮の貨幣単位。一ウォンは一〇〇チョン)だとすれば、飛行機を差し向けたわたしの誠意は一〇チョンにしかなりません」

「主席閣下、それはあまりにも過分なお言葉です。世界が仰ぐ偉大な領袖であられる主席閣下にまみえるために尋ねてくるわたしの誠意が、そんなに大きいはずがありません。むしろ、朝鮮に来るたびにわたしに注いで下さる主席閣下の愛情こそ、億万の金をもってしても代えることのできない偉大な愛情です」

「そうではありません。あなたの誠意の方が大きいのです」

「主席閣下!」

彼女は声を詰まらせ、言葉を継ぐことができなかった。

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