総書記と人民

 

錦繍山記念宮殿(当時)の開設を一日前にした一九九五年七月七日。

地下鉄駅から記念宮殿までの道路に沿った緑地は大勢の人で混み合っていた。

錦繍山地区の一本の木、一ふさの花にも自分たちの真心がこもるようにと念じて集まってきた人たちである。

道路にちり一点があってもと、掃いてはまた掃く人たち。

公園の花樹に水をそそぎ枝を手入れし、芝生を整理する人たち。

そこには年寄りもいれば、少年団ネクタイを結んだ子供たちや大学生もいた。

そんな時、記念宮殿の方から新敷設のレールに乗って一台の電車が走って来た。

なにげなく手を休めて電車に視線を向けた何人かの人たちの目がにわかに輝き、歓呼が上がった。

「将軍がお乗りになっている!」

「万歳!」「万歳!」

たちまち、走って来る電車に向かって人びとが駆け出た。

先頭を足の速い若者たちが、その後を女たちが、さらにその後を子供や年寄りたちが総書記の姿が映る車窓に目を向けながら、われがちに走った。

車内で随員たちとの談話に余念のなかった金正日総書記は、それに気づいて腰を浮かし、車窓に向き直って手を振った。

懸命に走る人たちの目からは、とめどもなく涙が流れていた。

もういいから走るのではない、転んでは大変だ、と手をもって制したが、足元に何があるかは気にもとめず、総書記の姿にひきつけられて走っていた一少女が、花樹に足を取られて倒れた。

けれども彼女はすぐに立ち上がり、またこぶしを握って走り出した。

電車はUターン地点のすぐ手前で、歓呼する人たちに取り囲まれてとうとう停車してしまった。

もっと近くで、たとえ一瞬間でも総書記の姿を仰ぎ見たくて詰めかける群衆に向かって、一人の幹部が、総書記の多忙な時間を奪わないでくれと、涙声で懇願した。

人びとはレールの外へと徐々に足を引き、やがて電車はUターンして記念宮殿の方へ向かって走り出した。

それでも、人びとは電車を追って走った。

電車がスピードを上げ、人びとの姿は遠ざかっていったが、彼らの上げる歓声はなおもこだました。

総書記はいつまでも彼らに目を向けながら、かすれた声で言った。

「わが人民は実に素晴しい人民だ。

あのような人民と共に息づき活動していると思うと、革命をもっと立派に行わなければという決心が固まる」

 

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