三人の炭鉱労働者のために
一九七五年八月のある日、
患者の症状は絶望的だった。全身三度の火傷、完全ショックの状態、蘇生不可能……
その日の夜、総書記はある幹部を呼んだ。
「あなたは上和青年炭鉱の炭鉱夫の生命が危ういということを知っていますか」
「はい、報告を受けました」
「なぜわたしにすぐ報告しなかったのですか」
「ご心配なさるかと思って……」
「それは正気で言っていることですか。炭鉱夫の命が危ないというのに、わたしが心配するしないが問題になりますか。炭鉱夫の命を救うことより重要なことがどこにあるというのですか」
「申し訳ありません」
「それでどんな対策を立てたのですか」
「道党に電話で対策を立てるよう強調しました」
怒りのあまりしばらく口もきかなかった総書記は厳しく叱責した。
ーわたしはあなたたちに人間に対する熱い心をもたねばならないと何度も強調した。ところがあなたたちはいつになったら正気になるのか分からない。炭鉱夫たちの命は寸刻を争うというのに、道党と保健部に緊急対策を立てるよう電話をかけるくらいでどうするというのか。人民はわが党を母なる党と呼んで慕っているのに、あなたたちに一体母親らしい気持ちが少しでもあるのか……
幹部は顔を上げることもできなかった。
総書記は即座に、至急炭鉱夫たちを蘇生させる非常対策を立てるとして、有能な医師と非常薬品をすべて動員し、夜は更けたが今すぐ飛行機を飛ばすようにと指示した。
「分かりました」
しかし、あいにくの豪雨のため民間機は飛ぶことができなかった。
総書記は直ちに軍用機を飛ばすよう命じた。
こうして軍用機が夜空に飛び立った。
その後、患者たちの体のむくみが取れず苦しんでいるという報告を受けた総書記は、心配してこう言った。
-患者の体がむくんでいると聞いた。むくみを取るにはスイカとビールがよいそうだ。彼らに医薬品と一緒にスイカとビールを送り届けよう。ヘリコプターで医薬品とともにスイカとビールをきょう中に送り届けなさい……
総書記が講じた緊急対策によって、患者たちは回復期に入った。
総書記は彼らを完全に回復させるためには、近代的な医療設備を備えた大きな病院に移して集中的な治療を施す必要があるとし、再びヘリコプターを差し向けるよう指示した。