朝鮮の三十八度線(100)
悲劇の三十八度境界線(1)
国連朝鮮臨時委員団の北朝鮮入りが拒否されると、アメリカは南朝鮮だけで選挙をおこなうことを決心し、これを国連に持ち出した。
しかし国連安全保障理事会ではソ連の拒否権行使によって否決され、総会にゆだねるほかなくなったが、第三回国連総会までは一年近く待たなければならなかった。
ところが朝鮮で現在のような情勢が一年もつづけば、民主勢力が急激に成長し、単独選挙の好機を逸することになると判断したアメリカは、国連憲章にもない「小総会(中間総会)」というものを考えだし、一九四八年二月十九日、朝鮮問題を小総会の討議にかけた。
ソ連など社会主義諸国は、「国連憲章にない」小総会の開催を非難して参加を拒んだ。
国連小総会で米国務長官マーシャルは、国連朝鮮臨時委員団による「全朝鮮選挙の監視が不可能なら、委員団が接触可能な朝鮮の地域」だけでも単独選挙を実施し政府を樹立しようという「決議案」を上程し、各国代表の賛成を求めた。
これは朝鮮分断案であった。
会議でスウェーデンとノルウェーは南朝鮮における単独選挙に反対した。
スウェーデン代表は、朝鮮情勢についての公式資料がなく、国連小総会は朝鮮問題討議のための場ではないから賛成できないと主張した。
ノルウェー代表は、国連小総会がアメリカ案を採択するのは、国連総会が小総会に与えた権限を悪用するものだと指摘した。