主体108(2019) 12月 10日

朝鮮の三十八度線(33

 

単独進出は政治的に望ましくない―米ソ外交戦(3

会談の席上ディーンは太平洋地域における米英軍の作戦状況をスターリンに説明したあと、ソ連がドイツ撃滅後何か月で対日参戦が可能か、日本を攻撃するためのソ連極東軍の増強に何か月を要するかと質問し、ソ連軍の活動を満州地域に限定することを含むつぎのような共同作戦案を示した。

   ① 米軍の補給をはかってウラジオストックまでのソ連シベリア鉄道を提供すること。

   ② 沿海州に対日作戦向けの米ソ両軍戦略爆撃機を編成すること。

   ③ 日本本土とアジア大陸間の海上および空中輸送を遮断すること。

   ④ ソ連が満州駐屯日本軍を撃滅すること。

   ⑤ 米軍の太平洋補給路確保にソ連が協力すること(米軍のペトロパブロスク港の使用とアムール川の港湾設置、米軍の南サハ

 リン占領許容など)。

   スターリンは、ソ連が対日戦に参加するには、一定の期間兵力を増強する必要がある、極東駐屯赤軍三十個師団を六十個師団

 に増強するには、ドイツ軍撃滅後最低三か月が必要だと説明した。また、シベリア鉄道利用問題にたいしては、シベリア鉄道の

 輸送能力では六十個師団の補給も容易でない、それにシベリアに極東軍の二、三か月分の軍需品を蓄積しなければならないの

 で、鉄道輸送には全くゆとりがない、だから米軍は同鉄道を利用するより、太平洋ルートを利用する方がよいと指摘し、沿海州の

 空海軍基地はソ連に必要だから、アメリカに提供することはできないと拒絶した。

   スターリンは赤軍の作戦地域問題にたいしても言及した。自国への「帝国主義軍隊」の進入はいっさい許せないというのがかれ

 の信条であった。スターリンは赤軍の作戦地域を満州に限定しようとするアメリカ側の提案にも反発し、在満日本軍を撃滅するに

 は赤軍の作戦地域をそこに限定すべきでないとし、赤軍は満州の北部国境で日本軍を攻撃すると同時に、西北方面でも高度の機

 動力を持つ大部隊がバイカル湖方面から外蒙古を経て張家口、北京、天津方面に進撃し、東部では陸海軍が朝鮮半島の北部港湾

を攻撃占領して、日本軍を包囲殲滅するという対日作戦構想を説明した。ソ連はできるだけ南進の可能性を生かそうとしたのであ

った。

   アメリカ側はその戦略的妥当性を認め、異議をさしはさまなかった。

 会談ではソ連の対日参戦用軍需物資の補給問題も論議された。ソ連は対独戦期間にアメリカから四回にわたって提供されるはず

 の物資以外に兵員五十万名、戦車三千両、自動車七千台、航空機五千機が二か月間消費する食糧、燃料、輸送機器、その他の軍

 需品、総計百六万トンを六月まで届けるようアメリカに求めたが、合意を見るにいたらなかった。

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