主体107(2018) 11月 14日

恵み深い揺りかご

 

ある日、平壌産院で満期の出産児に劣らず丈夫に育った早生児の姿がテレビで放映された。八か月目に生まれたのならいざ知らず、六か月目に生まれた早生児が丈夫に育った姿を見て、視聴者は驚いたものである。

その産児は保育器の中で養護されたのだった。

産院の建設が進められていたある日、総書記は、関係者たちを呼び、明細書を指してたずねた。

「保育器の台数がなぜこんなに少ないのですか」

かれらはなんとも返事ができなかった。

保育器は早生児や未熟児を胎内と同じ生活条件で育てるために自動的に温度や湿度そして清浄な空気を調節し、栄養を供給する設備で、大へん高価であった。

関係者は、保育器を増やしては割り当てられた外貨の限度が超過すると言い、またいま予定している数でも平壌産院の早生児は十分に養護できると説明した。

総書記はかぶりを振った。

「それではいけません。もっと買うのです。われわれは子どものためをはかることでお金を惜しんだことがありません。

外貨の心配はしないで、もっと買い入れることです。

産院の設備は、必要なものを残らず揃えたうえで費用を計上してもかまいません。

保育器は新生児の生命にかかわる重要な器械ですから、ゆとりがなければなりません。

それに平壌の早生児だけを考えては駄目です。

生命が危ぶまれる地方生まれの早生児や三つ子も入院させて保育器で育てたら、どんなにいいでしょう。

満期児の場合も、虚弱児は保育器の中で育てれば産婦や新生児にとって悪くないはずです。資金はわたしが引き受けます。みなさんはたくさん買ってくればいいのです」

設備明細書はその場で書き直され、やがて保育器は十分に整えられた。

その後、竣工した平壌産院を視察した総書記は、保育器の前で歩みを止め、明るい表情で随員に説明した。

「これが早生児集中治療台です。

早生児をガラス容器の中で育てるのです。生育に必要な温度と酸素は自動的に調節されます」

ずらりと並んだ保育器を満足そうに眺める総書記の姿に、人々は胸を熱くした。

関係者はヨーロッパでも規模が大きいといわれる産院を参観したときのことを思い出した。そこには数台の保育器が置いてあったが、当国の保健医療関係者はそれについて誇らしそうに説明したものだった。もしかれが平壌産院に来て、ずらりと並んでいる保育器を見たらなんと言うだろうか。

この温情こもる保育器で、全国各地の早生児や未熟児が丈夫に育ち、六か月目に生まれた早生児まで無事に育てられたのである。

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